d20アラカルト
第3回補遺:『Red Hand of Doom』 文:桂令夫

RPGamer13号の『d20アラカルト』では、WotC社やPaizo社から最近続々出版中の「バトル・グリッドの付いたミニチュア対応シナリオ」のご紹介をしております。
 入稿後になって特筆すべきものが1つ出たので特別にWWW上でご紹介したく思います。RPGamer本誌記事もぜひ御覧になってください。

権力の空白地帯、ホブゴブリンの諸部族が徘徊する山岳地に、ひとりの危険な征服者が誕生しつつあった。尋常のホブゴブリンではない。肩にきらめく青いうろこ、頭には角、自ら称して竜の子アザール・クル(Azarr Kul)という。配下に糾合した無数のホブゴブリンは、そもそもオークやゴブリンよりも団結かたく戦慣れした種族。彼らが手に手にひるがえす黄いろな旗に染めぬいたは、滅びのしるしの赤い手。この恐るべき軍勢は、いまや辺境の地に襲いかかろうとしていた……

 というのが、当シナリオ『Red Hand of Doom』(赤い手はほろびのしるし、とでも訳するんですかね)のあらましです。WotC社製、全126ページ、ソフトカバー・フルカラー、両面印刷のバトル・グリッドつき。バトル・グリッドは3つあり、最初の戦闘、最後の戦闘、中盤の山場の戦闘に用います。
 (両面で3つというのはどういうことかというと、最初の戦闘と最後の戦闘のマップは同じ面に隣どうしになっているのです。これは分けてカラーコピーしたほうがいいかもしれません)
 主題はファンタジーの王道の一つでありながら、これまで3.0版以降のWotC社製シナリオではなかったもの??つまり合戦であります。ただしPCたちは戦の指揮をとるというより、むしろ独立した遊撃部隊として戦ったり、重要な交渉の使者となったりすることになります。敵の種類もさることながら、むしろ「任務の種類」「遭遇の種類」がバリエーション豊かで楽しい感じです。要所要所でPCたちの取った行動や、達成した事績は、合戦全体の帰趨を左右することになるでしょう。
 全126ページと、WotC製のD&D第3.5版対応シナリオとしては群を抜いたボリュームのキャンペーン・シナリオです。対応レベルは5〜10レベル。全くの私見ですがD&Dが最も面白いレベルではないでしょうか。日本製シナリオ集やトーチ・ポートが主にカバーしているのが1〜5レベルなので、そこらへんを終えた後すぐこちらにかかるというのも悪くない。
 世界設定は基本的にどの設定でもいけるようになっており、「フォーゴトン・レルムならここらへん、Eberronならここらへん、グレイホークならここらへんに配置するとよいでしょう」てなことが書いてあります。
 クリーチャー/キャラクター・データの書式は『Fantastic Locations』のもの(おそらく、もとをたどればサプリメント『Dungeon Masters Guide II』で提起されたもの)を踏襲しており、最初に知覚およびイニシアチブ関係の数値が、最後に台詞や行動の指針が付いているという使いやすいものでなかなかよろしい。
 全体に、今後の公式シナリオの標準とするにふさわしいできばえではないでしょうか。シナリオにフルカラーが必要かという点については議論の余地がありましょうが、少なくとも筆者は見ていてマスタリングしようという気が1割増しになりました。
 世界設定は基本的にどの設定でもいけるようになっており、「フォーゴトン・レルムならここらへん、Eberronならここらへん、グレイホークならここらへんに配置するとよいでしょう」てなことが書いてあります。
 クリーチャー/キャラクター・データの書式は『Fantastic Locations』のもの(おそらく、もとをたどればサプリメント『Dungeon Masters Guide II』で提起されたもの)を踏襲しており、最初に知覚およびイニシアチブ関係の数値が、最後に台詞や行動の指針が付いているという使いやすいものでなかなかよろしい。
 全体に、今後の公式シナリオの標準とするにふさわしいできばえではないでしょうか。シナリオにフルカラーが必要かという点については議論の余地がありましょうが、少なくとも筆者は見ていてマスタリングしようという気が1割増しになりました。
 なおこのシナリオ、本文中に「『Heroes of Battle』(戦争を扱う未訳サプリメント)があるとより楽しめるがなくても大丈夫だよ」てなことが書いてありますが、私見で
は『Heroes of Battle』の重要性は低く、むしろ大全シリーズのほうが「あるとより楽しめる」度が高いような気がいたします。大全シリーズ等の上級クラスがちょっと出てくるので。
 全くの余談ですがD&Dミニチュアの『ウォードラム』および次の『War of the Dragon Queen』もあると有益であろうと思量されます。筆者の知人にはこのシナリオを見てウォードラムのHobgoblin Archerを集め出した奴もいます。またこのシナリオとの対応ということでWar of the Dragon Queenにはホニャララが入るんじゃないかとホニャララです。
 まあそれはさておき。当シナリオはレベル域、サプリメントの発売状況などをふまえて考えましても、個人的にはぜひとも日本での発売を推したい一本です。ご希望の方はぜひHJへおたよりを出そう!
(上)実際のシナリオ中で起きる遭遇を正確に再現したものではありません

(下)『Red hand of Doom』
ルールブック

*pdfファイル版はここから